コーヒー栽培から紅茶栽培へ
セイロンティの歴史
世界の紅茶生産量をみると、スリランカはインドに次いで世界第2位、輸出量は第1位の紅茶大国です(2020年)。
スリランカ紅茶は、かつての国名「セイロン」を冠した「セイロンティ」の名で知られ、世界中から愛されています。
もともとはコーヒー栽培が盛んな国でしたが、コーヒー栽培が「さび病」で壊滅状態になったことをきっかけに紅茶栽培に切り替えられたといわれています。
スリランカは中央山脈を境に、西と東の「雨季」と「乾季」が正反対となる独特の風土をもっています。独特な気候変化や標高の違いによって、産地ごとに風味の異なる紅茶が生まれています。
標高によって異なる
紅茶のキャラクター
スリランカの紅茶産地は、標高610m未満のロウグロウン、610~1200m未満のミディアムグロウン、1200m以上のハイグロウンに大別されており、産地によって紅茶のキャラクターが異なります。
―ハイグロウンティ【高地産の茶葉】
個性豊かな茶葉が多く、深いコクや渋み、強い香りが特徴。
主な産地 ヌワラエリヤ、ウダプッセラワ、ウバ、ディンブラ
― ミディアムグロウンティー【中地産の茶葉】
バランスの良い紅茶で、クセが少なく飲みやすい。
主な産地 キャンディ
― ロウグロウンティー【低地産の茶葉】
コクや甘みがあり、濃厚さと独特な香りを持つ。
主な産地 ルフナ、サバラガムワ
茶葉のグレード
紅茶にも、ワインや日本酒のようにグレード(等級)があります。
基本的に葉の大きな順から分けられていますが、そのまま品質を示すのではありません。
細かく砕かれたものでも、品質のよいものが存在します。
茶葉のサイズによって、用途も異なりますので覚えておくと購入時に役に立ちます。
健康効果の高い発酵飲料
紅茶の効能
紅茶が、発酵飲料であることをご存知ですか。
紅茶は味や香りを楽しむだけでなく、意外な効能もあります。
カフェイン
飲みすぎるとよくないものの、適度に摂取すれば集中力を高めます。
また、血液の循環促進、疲労回復の効果なども見込めると言われています。
※1日に紅茶4杯程度までであれば、問題ないとされています。
タンニン
カテキンやポリフェノールが多く含まれており、食中毒や風邪の予防に効果的です。
また、ポリフェノールの一種である紅茶のフラボノイドは、活性酸素を抑える抗酸化作用が期待できます。加えて中性脂肪を分解したり、血糖値を下げたりする嬉しい効能もあるそうです。
テアニン
紅茶を飲んだとときに感じる旨みにあたる成分でアミノ酸の一種です。
ストレスを和らげるリラックス作用があると言われています。